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キレを上げるための発揮能力向上トレーニング

「キレを出す」


という抽象的な言葉を言語化し、パフォーマンス改善のためのトレーニング落とし込んでいこうと思います。



 


1.ジャンプ能力とパフォーマンス


カウンタームーブメントジャンプと股関節


スプリント能力やアジリティ能力(方向転換動作)を改善するには、股関節によって大きな力を瞬間的に適切な方向に力発揮する必要があります。


そのためスプリント能力やアジリティ能力は反動をつけたジャンプであるカウンタームーブメントジャンプ(CMJ)と関係性が高いと言われています。


カウンタームーブメントジャンプは股関節を大きく屈曲させて、下肢の3関節を爆発的に伸展させるトリプルエクステンション動作となるため、ジャンプ能力向上には殿筋群やハムストリングスなどの伸展筋群の強化が必要になります。



ジャンプパフォーマンス改善には力発揮直前の股関節制御能力が必要になることに加えて、さらに強力な力発揮に必要な筋機能改善を図る必要があります。





リバウンドジャンプ・アンクルホップと下肢剛性


着地後の素早い切り返し動作はリバウンドジャンプ・アンクルホップの確認を行います。


リバウンドジャンプは股関節を曲げて着地し、そこから素早くジャンプする動作であるため股関節の貢献度が高く、アンクルホップは股関節を曲げずに足関節の剛性を高めて着地するため足関節の貢献度が高くなります。


スプリント後半の能力と関係性が高いとされていますが、素早い動きを必要とされるアジリティとの関係性も高いのでは無いかと考えています。



以上の2つのジャンプパフォーマンスの改善を図ることで、素早い動き出し=キレを改善を図れるのでは無いかと考えます。



 


2.Rate of Force Development(力の立ち上がり率)


Rate of Force Development(RFD)はいかに短い時間で大きな力を発揮できるかの指標となり、ジャンプパフォーマンスを向上させるためには筋出力の発揮速度と発揮する力の両方が高くなる必要があります。



発揮速度とは100%の力を発揮するまでの時間であり、スプリントの動き始め・切り返し動作、コンタクトなど多くは0.5sec以内で運動が行われます。


しかし、最大発揮まで0.5sec以上かかっていては最大発揮する以前に運動が終わってしまい(最大出力の60-80%)、全力のスプリントができない状態となってしまいます。


そのためRFDを高めることは、一瞬の力を最大化させることであり、いわゆる「キレ」を出す指標となります。



 


RFDの改善


RFDの改善には、筋断面積・神経機能・腱のスティッフネスが必要とされています。


筋断面積の増加には筋肥大を目的とした負荷設定でのトレーニングでその効果は現れるが、徐々にその効果は減少し、高重量トレーニングで素早く動かすトレーニングにより神経機能の改善が必要となります。



つまり、

筋肥大を目的としたトレーニングから最大筋力を向上させるトレーニング、どちらのトレーニングも必要となります。


例)バックスクワット 筋肥大トレーニング|75%1RM  8-12rep 3-5set rest2min 最大筋力トレーニング|85%1RM 3-5rep 3set rest3min



 


最大パワーの向上


筋力の強化から発揮速度の上昇を目的としたトレーニングへと移行します。


パワーの改善には力もしくは速度どちらの要素の改善も必要となるため、始めは力の要素の強化から、徐々に最大速度で行える負荷設定で負荷を増大していきます。



ミッドサイプル|60%1RM(6rep×3set rest3min)

を目安として行います。




 


エキセントリック収縮の強化


素早い沈み込みを制御することで関節運動をブレーキをかけながらコントロールする(エキセントリック収縮)ことになり、筋が伸ばされ伸張性・弾性が改善され、素早い収縮が可能となります。



ドロップスクワット|30%1RM(5rep×3set rest3min)

ジャンプスクワット|30%1RM(5rep×3set rest3min)




 


2.力の方向を最適化させるための機能改善


筋肥大・最大筋力・パワーの改善に加えて、力の発揮方向や腱機能、ジャンプ動作への適応など動作改善に必要な機能改善を図ります。



変換パワートレーニング


トレーニングによって強化された筋力を実際の動作へ適応させていくには、力を発揮する方向を適正化させていく必要があります。(変換パワートレーニング


運動方向が垂直方向から水平方向へと変換されることから、水平方向への制御が必要となります。




 


筋力トレーニング+ジャンプトレーニング|コントラストトレーニング


筋力トレーニングとジャンプトレーニングを交互に行うことで、トレーニングで鍛えた筋力を高速で発揮させるトレーニングとなります。




 


プライオメトリクストレーニング


ジャンプ動作ではstretch shortening cycle(SSC)を有効に活用することで大きな力発揮を可能とします。


SSCでは筋組織が至適長(最も力が発揮される長さ)で等尺性収縮に近い収縮形態となることで、腱組織が伸張され大きな弾性エネルギーを貯蔵することができます。


そのため、腱組織の強化には適切な筋の収縮(等尺性収縮)が必要となります。


特に腓腹筋は羽状筋であることから伸張・短縮位にならずに足関節0°(至適長)で等尺性収縮を行うことで固定する能力が高まります。




プライオメトリクストレーニング

エキセントリック収縮の強化となり、伸張性・弾性を改善することで爆発的な力発揮の獲得を目指します。


トレーニングのポイントは、

膝を伸ばし足関節を固定した状態でのジャンプトレーニングはアキレス腱を硬くし、膝を曲げて着地するジャンプトレーニングでは収縮や反動のタイミングを学習することになります。





 


3.力の吸収と発揮


脊柱は3つの弯曲があることで衝撃を吸収できるとされています。


ニュートンの第3法則|作用・反作用の法則


物体に対して力を加えるとそれと同等の力が返ってくるとされており、地面を押せばその力の分だけ地面から反作用として力が返ってきます。その反作用の力を吸収できることでその動作は成り立ちます。



脊柱の緩衝能力と力発揮


脊柱は3つの弯曲(頸椎前弯・胸椎後弯・腰椎前弯)を有しており、その弯曲によって緩衝しているとされています。


その力は弯曲が0に対して3つの弯曲を有することで、10倍の力を発揮するとされています。


弯曲0の状態で力を発揮しようすれば、反作用を吸収する力がないため作用させる力発揮は困難となります。逆に脊柱の3つの弯曲を形成することで自身が有している力を十分に発揮できる様になるのではないでしょうか。





 


理学療法士によるパーソナルトレーニング


医療の現場でも用いられる徒手療法にて、筋・関節の状態を適正化させることで力が入りやすい状態を目指します。

関節が安定した状態で、身体の連動性を高めるトレーニングにより、適切なタイミングで適切な方向に、適切な力を発揮しやすい状態を獲得します。

 

​身体機能を高めることで、効率的な動作習得を目指します。



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