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軸回旋の重要性

更新日:2025年12月17日

スポーツやトレーニングにおいて「軸回旋」は、パフォーマンスを最大化し、かつ怪我を防ぐために極めて重要な概念となります。



簡単に言うと、「身体の中心に一本の棒が通っていると仮定し、その棒をブラさずにコマのように回転する」動きのことです。


なぜこれが重要なのか、力学的な視点と身体機能の視点から整理して解説します。




❶パワーとスピードの最大化(エネルギー効率)


身体を回旋させる際、軸が安定しているかどうかで生み出せるエネルギーの量が劇的に変わります。


軸が垂直で安定しているコマは高速で回転できますが、軸が傾いたりブレたりしているコマはすぐに回転力が落ちてしまいます。


身体も同様で、軸が安定することで回転速度(角速度)が上がり、末端(手や足、ラケットやクラブ)に強い遠心力を伝えることができます。


しかし身体がスウェイすると、本来回転に使われるべきエネルギーが横方向への移動に逃げてしまいます。


軸回旋により地面からもらった力(床反力)を逃さず、ダイレクトに回転力へ変換できます。




❷再現性と正確性の向上(コントロール)


特にゴルフ、野球、テニスなどの球技において、軸の安定は「コントロール」に直結します。


頭の位置が動かないことで目線が安定し、ボールを正確に捉える確率が上がります。

またスイングや投球動作において、回転軸が一定であれば、腕や道具が通る軌道も一定になります。


毎回同じフォームで動くためには、その基準となる「軸」が動かないことが大前提となります。




❸怪我の予防(関節への負担軽減)


軸回旋ができていないことは、スポーツ障害の大きな原因になります。


身体を回旋すべき局面で、軸が崩れて側屈の動きが加わることで関節に無理なストレスが加わる原因になります。




四肢の動きの低下は、その動きを体幹が代償することで、本来の連動性は損なわれてしまい、力の伝達のロスに繋がります。


そのため、最適な力を発揮するには体幹と四肢が連動し、またその動きを制御できることが条件と考えます。








角運動量保存則で回転速度が上げる


身体の中心に軸を作りコンパクトに回ることで、エネルギーを変えずに回転速度(角速度)だけを高めることができます。


しかしスウェイが生じることで回転の半径が大きくなってしまい、物理的に回転スピードが落ちてしまいます。


そのため回転運動時の軸回旋は回転半径を短くすることで回転速度を速め、回転エネルギーを大きくすることから、各関節の滞りのない運動連鎖が必要となります。




運動連鎖(Kinematic Chain)


身体の中心部から生み出された力がタイミングよく末端へ伝わることで、末端のエネルギーや速度を大きくするとされています。


そのため、運動連鎖により大きな力を発揮するには、まずは中枢部分(体幹)が機能することが前提となります。


また末端に加えられた力が物体に加わり加速する時に、反作用の力を中枢部で制動する力も必要となります。






胸郭回旋


胸郭回旋には肩甲骨や鎖骨、頚椎回旋に伴う体幹筋群の柔軟性が必要となります。


各関節の動きの低下は他部位で代償し、回旋軸の偏位をもたらします。



回転運動時の軸回旋は回転半径を短くすることで回転速度を速め、回転エネルギーを大きくすることから、各関節の滞りのない運動連鎖が必要となります。


効率的な運動連鎖は関節への負担を軽減し、最大速度・最大出力の生成に貢献することから、スイング動作において運動連鎖を考慮したトレーニングが必要になると考えます。




骨盤に対しての胸郭柔軟性


骨盤を安定化させたら、骨盤に対しての胸郭の柔軟性を改善させます。ストレッチでは骨盤が動かずに胸郭を大きく動かしましょう。







床反力をトルク(回転力)に変換する


スイング動作・投球動作


地面に加えた力の反作用により生じた力を使い、並進運動・回転運動で生じたエネルギーを体幹・上肢に伝達することで大きな力を発生させます。


投球におけるパワーの約50-55%は下半身により力が発揮され、下半身を使えないいわゆる手投げでは、肩や肘がその力を発生させる必要があります。


地面から得られた力を前方に伝え(並進運動)、踏み込み脚で安定しその力を回旋エネルギーへと変換する必要があり、回転した力に対して踏み込み脚で制動することで、上肢との捻転差が生じ、慣性による回転エネルギーを大きくします。



骨盤回旋のタイミングずれ


下半身の筋力不足や股関節の可動域制限、骨盤回旋速度の遅れにより上半身との捻転差が減少します。


上述して手投げや手打ち、下肢機能の低下、体幹機能の低下はインパクト時の胸郭と骨盤回旋のタイミングにズレが生じ、エネルギーのロスが生じる原因となります。



ここでのトレーニングは胸郭をさらに細分化し、骨盤に対して肋骨を動かすことを意識します。






捻転差で体幹のバネを使う


これが最も重要なパワーを増幅させるのプロセスとなります。軸が安定していると、下半身が先に回り、上半身が遅れて回るという時間ラグを作ることができます。


骨盤が回っても胸郭がまだ残っている状態を作ると、腹筋や背筋が引き伸ばされSSCにより強い力で上半身が回転します。


しかし回転軸が安定しないとないと、この回旋がほどけてしまいSSCの機能が十分に発揮できません。



胸郭と骨盤の分離


骨盤の安定化と胸郭の柔軟性を獲得したら、骨盤と胸郭をつなぐ体幹筋のトレーニングを行います。


ここでも骨盤に対して胸郭を動かすことを意識します。






以上、軸回旋の重要性と獲得方法についてお伝えしました。


回旋パフォーマンスの改善に向けてをぜひお試しください。




 

理学療法士によるパーソナルトレーニング


医療の現場でも用いられる徒手療法にて、筋・関節の状態を適正化させることで力が入りやすい状態を目指します。

関節が安定した状態で、身体の連動性を高めるトレーニングにより、適切なタイミングで適切な方向に、適切な力を発揮しやすい状態を獲得します。

 

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