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執筆者の写真Taira Junichiro

Movementの改善

更新日:7月13日

トレーニングでは筋力を向上させたいのか、動きを改善したいのかを明確にする必要があります。



筋力を向上させたいのであれば、重りを持ってスクワットをするなど筋に負荷をかけていきます。


パワーを向上させたいのであれば、筋力に速度の要素が加わるため素早く動くことを意識してトレーニングします。



では動きを改善するとはどういうことなのか。筋力向上と動きの改善を分けて考えていく必要があります。


そこで今回はトレーニングの流れに沿ってその考え方をご紹介していきます。





 


❶Mobility|可動性


始めに行うのが関節の構造的安定化を図ることです。骨同士で安定することで、周囲筋に過剰な負担を加えずにトレーニングを行うことができます。


怪我せずトレーニングをするだけでなく、関節周囲の筋が関節を安定させるために過剰に収縮することは、動きの自由度の低下につながるためパフォーマンスにも影響します。


股関節が詰まって柔軟性が改善しないなど、筋をストレッチする前に関節の求心位を獲得することで筋の柔軟性も得られやすくなります。






背骨の動きを磨く脊柱コントロールエクササイズ


身体の中心であり、動きの中心である脊柱は手足との連動性を高めるために、そして重力を緩衝するためにも柔軟に動かす必要があります。


背骨ひとつひとつ動かす意識によりインナーマッスルが働き、分節的な動きを獲得します。





 


❷Respiration|呼吸


次に行うのが、呼吸機能含めた胸郭・脊柱の機能を改善します。


胸郭機能不全は重心移動を阻害し、下半身にかかる負担を大きくする他、移動を伴うトレーニングではスムーズな重心移動を困難とします。





 


❸Motor Control|運動制御


Motion→Movement


Motion|関節や部位の動きであり、筋力や可動域が必要となる

Movement|バランス、認知、知覚、コーディネーションを含めた運動制御が必要となる


Motionは主に関節の動きであり、筋力や可動域の改善とともに改善するが、身体全体の中での動作を獲得するにはMovementが必要になります。



例えば、腕を上げるには肩甲骨の可動性や肩のインナーマッスルを機能させる必要があります。



しかしそれらの機能が十分であっても、投球動作にて肘が下がることがあります。そのため、Motionの改善だけでは動作として表出されません。



Movementには適切なタイミングで、適切な方向に適切に出力することが必要となり、動きを制御し微調整することが求められます。



そのため単関節の動きだけでなく、多関節運動を抗重量位でのトレーニングを行い、感覚器を働かせながら行うことが望ましいと考えます。



また意識的コントロールから運動を自動的にコントロールするには環境やタスク、身体状況を変化させ、それに動作を適応させるトレーニングを行い、身体能力の限界で行うことで過度な意識付けを避けたトレーニングへと進めていきます。




体幹と付属の分離と連動


身体には運動連鎖という各関節の動きに伴い、他関節が同時に動きます。


その連動性を高めることで、体幹の力を末端に伝えたり、末端の力を体幹で吸収することができます。


しかし、連動性は各関節が適切に動いている必要があるため、各関節を別々に動かすための分離エクササイズを始めに行います。


分離エクササイズでは、他関節での代償なく、確実に関節を動かせる様にするエクササイズとなります。


分離エクササイズで動く様になった各関節を連動させて、楽に、力強く動かせることを目指します。





 


❹Movement Preparation|動きの準備


可動性・呼吸・運動制御機能の改善を基に動きを改善するための準備トレーニング


✔︎荷重関節の構造的安定

✔︎呼吸に囚われない体幹機能

✔︎胸郭の柔軟性による上半身質量中心の移動


これらの機能改善に伴い、Movement trainingの準備のトレーニングを行います。






安定した土台を作る.関節安定化エクササイズ


内転筋は身体の中心に位置し、股関節を安定させるために働きます。

また股関節外旋筋は股関節後方深層に位置し、前面の腸腰筋と共に大腿骨を安定させるために働きます。


さらにアーチ機能の構築、アキレス腱と上下の組織との連結を意識したエクササイズ、立った状態での安定化を図るヒップヒンジエクササイズをご紹介します。


トレーニング前に各関節が安定することで、安全に効率的にトレーニングをする準備をしましょう。






股関節の捉え


股関節は球関節であり、大きくスムーズに動かせる必要があります。


モビリティエクササイズにて可動性の改善を図ります。


股関節を使うとは、地面を押した時に股関節で力を受ける状態となります。

そのためには、可動性改善のためのモビリティエクササイズ、安定させるためのインナーマッスルエクササイズをしましょう。


股関節の機能改善でパフォーマンスアップを目指しましょう!





 


❺Movement


Movementの適正化を図ることで、移動方法が変化しスムーズなステップ反応を引き起こします。


重心が高い方が早く移動できるため、上半身質量中心の移動はステップ反応を引き出す上で重要な要素となります。





体幹と四肢を繋ぐ.連動性トレーニング


体を動かす際に体幹と四肢は胸鎖関節、仙腸関節を介して連動します。

それぞれの動きは連結部位を通して力が伝播します。


そのため、連動するとはお互いの動きがもう一方の動きを阻害しない事と考えます。


四肢もしくは中枢の動きに制限がある場合、その動きは胸鎖関節・仙腸関節を通してお互いに伝わり、代償的な動きが出現することになります。


そのため適切な連動性を得ることで、


体幹から発生した力を四肢に伝える

地面からの力を体幹に伝える


以上の獲得を目指します。




 

 


理学療法士によるパーソナルトレーニング


医療の現場でも用いられる徒手療法にて、筋・関節の状態を適正化させることで力が入りやすい状態を目指します。

関節が安定した状態で、身体の連動性を高めるトレーニングにより、適切なタイミングで適切な方向に、適切な力を発揮しやすい状態を獲得します。

 

​身体機能を高めることで、効率的な動作習得を目指します。



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