身体を動かすには重心を移動させる必要があります。
そのため、
身体の動かし方を変える=重心の移動方法を変える
身体の使い方を改善するには重心移動能力を向上させることと言い換えることができます。
1.重心とは
重心は上半身質量中心と下半身質量中心の中間にあるため、それぞれの動きによって重心移動能力は変化します。
下半身質量中心から重心を移動させるには、足関節ストラテジー(戦略)、股関節ストラテジー(戦略)により、下半身質量中心を移動させる事ができます。
2つのバランス戦略のどちらかが有意になることで、一方に負荷が集中することで怪我につながることもあります。
股関節ストラテジーが低下することで、足関節捻挫、アキレス腱炎を引き起こす。足関節ストラテジーが低下することで、グロインペインを引き起こす。
下半身質量中心を移動させることにおいても、2つの戦略が必要となりその中のバランスも重要となります。
※トレーニングによる変化
2.下半身から動く.上半身から動く
下半身から動く、上半身から動くということはどういう意味なのかを考えていきます。
下半身から動く|力源として床反力を主に使う
上半身から動く|力源として重力を主に使う
❶下半身から動くとは
床反力を使うには地面を強く押す必要があります。
床反力を得る上で重要になるのが、関節中心で床反力を得ることになります。
※床反力|床を押せばその分、床から同等の力が返ってくる(作用・反作用)。
下肢で言えば、足関節・膝関節・股関節の関節に対して床反力が関節の中心を通ることで、関節が安定した状態で反力を得ることができます。
②③はそれぞれブロックの位置がズレているため、床反力によってさらにズレる方向に力が加わってしまいます。
下半身から動くには、
床反力を関節中心で適切に得ることで、反力のロスがなく力を得ることができます。
❷上半身から動くとは
重力|重心から地面に対して垂直に働く力
黄|足部
青|骨盤
赤|胸郭(上半身質量中心)
※支持基底面|身体が地面に接している面(両足底面)で構成される面
姿勢を保つには支持基底面内に重心が投影されている必要があります。
①足部に対して骨盤帯・胸郭が均等にスライドされ、重心が支持基底面内に留まっている。スライドされた各関節は筋によって制御される。
②足部に対して骨盤帯が大きくスライドされ、骨盤帯に対して胸郭の移動量が少ない。
足部に対する骨盤帯の移動量が大きいことから、足部と骨盤帯の間にある筋には大きな負荷がかかる。
③足部に対する骨盤帯の移動量が少ないが、骨盤帯に対する胸郭の移動量が大きいことから、その間にある筋には大きな負担がかかる。
②③は各部位間の運動量の差があることから、一部に負担がかかりやすい状態になることから全体の移動量は制限されやすい。
上半身から動くには、各関節が滞ることなく連動することで、上半身質量中心が移動し重心を支持基底面から外すことができます。
3.ストップ動作
❶上半身重心を優位にした止まり方
減速時には前方へ慣性が働くため、身体は前方に煽られます。
身体を起こし上半身重心を後方に残す事で、重力で前方への慣性を相殺し、筋肉を必要以上に使わない止まり方になります。
歩数を要するため止まるまでの時間はかかるが、止まった後の次の動き出しは早くなり、筋・関節への負担も少ない止まり方になります。
❷下半身重心を優位にした止まり方
身体を起こす時間的余裕はないため、重力を利用して止まることは難しくなるため前方への煽りを筋肉を使い止める必要があります。
ここで大事なのは体幹が前方に煽られるのを防いでくれる体幹・股関節の後面筋となります。
膝が前方に出ないように止まることで、股関節後面の筋肉を使い、止まることができます。
筋肉を使うのか重力を使うのか、プレーでは①②両方とも必要になり、それぞれで必要な身体の機能は異なってきます。
4.ターン動作
ターン動作は各スポーツにおいて重要な動作となる。ただ真っ直ぐ走るだけでなく、素早く動くには素早く向きを変える能力も必要になります。
ターン動作のポイント
❶方向転換前の脚で減速する|内脚減速
ターンの脚に負荷が加わらないようることで重心移動が大きくなってしまうことから、方向転換前の脚で十分に減速している必要があります。
❷最後の切り返しの外脚は地面に対して斜めに(大きく)接地する。
次の内脚を着く際に、接地面(外脚)に対して上半身重心が遠くにある方が身体は倒れやすく、内脚の接地が早くなります。
また床反力(地面から返って来る力)の向かう先を次の進行方向に向けられます。
❸内脚のトリプルエクステンションで加速
体幹の真下に内脚があり、トリプルエクステンションで加速する。
重心を内脚に残したままで、外脚で床反力を次の進行方向に向けたら、内脚の足関節・膝関節・股関節を伸展(トリプルエクステンション)にて加速します。
外脚からの反力があるため、内側に加速することができる。
理学療法士によるパーソナルトレーニング
医療の現場でも用いられる徒手療法にて、筋・関節の状態を適正化させることで力が入りやすい状態を目指します。
関節が安定した状態で、身体の連動性を高めるトレーニングにより、適切なタイミングで適切な方向に、適切な力を発揮しやすい状態を獲得します。
身体機能を高めることで、効率的な動作習得を目指します。
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